消費期限や出荷期限が過ぎてしまうと商品を出荷できなくなる可能性があります。こうした問題を防ぐために、先入れ先出し(FIFO)を徹底しましょう。この記事では、先入れ先出し(FIFO)の概念について解説します。
先入れ先出し(FIFO)の重要性
はじめに、倉庫管理における先入れ先出し(FIFO)の重要性と実践に向けたポイントについて解説します。
先入れ先出し(FIFO)が重要な理由とは
先入れ先出し(FIFO)とは、倉庫内に保管されている商品を入荷の早い順番に出庫する方法であり、これにより商品の劣化や出荷期限切れを防ぐことが狙いです。
スーパーマーケットやコンビニを例にあげると、先入れ先出し(FIFO)が徹底されないと、賞味期限が逆転して出荷される可能性があります。その結果、店舗から返品を受ける場合があります。こうした事態が原因で信頼関係が損なわれていきます。
先入れ先出し(FIFO)を実践するための効果的な方法
先入れ先出し(FIFO)を実践するためには「システムでの管理」「保管機器による管理」「運用ルールによる管理」の3つが挙げられます。ここでは効率的な先入れ先出し(FIFO)の実践方法について解説します。
システムによる管理方法
先入れ先出し(FIFO)をシステム管理により実現するためには、商品コード、ロット番号や賞味期限日、ロケーション、数量を在庫管理システムに登録しなければなりません。このロット単位の在庫管理を行うことで、システム的に古いロットから引当てを行い、出荷指示を出すことができます。
ロット単位や賞味期限日単位でロケーションを登録するということは、必然的にフリーロケーション管理ということになります。これを現場で間違いなく登録するにはハンディターミナル等の機器が必要になります。手順は商品バーコードスキャン=>ロット番号(賞味期限日)入力=>ロケーションスキャン=>数量入力という手順が一般的です。
これを行うことによりシステム的に先入れ先出し(FIFO)が可能となります。
保管機器による管理方法
フローラックやパレットフローラックは、棚の後ろから商品を格納して前からピッキングするラックです。商品の古い順に格納すれば、自動的に古い順にピッキングすることになりますので、先入れ先出し(FIFO)ができていることになります。但し、商品の保管量によりラックの奥行きを選定しないと、フローラックの後ろ側がスカスカ状態になり、保管効率を落とす場合があります。
また、自動倉庫は入庫時にロット番号や賞味期限日を登録することで、自動倉庫システム側で先入れ先出し(FIFO)の引当てをやってくれます。
倉庫運用による管理方法
システムやラックによる先入れ先出し(FIFO)の方法をあげましたが、一般的な倉庫では平棚使用、固定ロケーション管理の倉庫がほとんどです。
その場合、先入れ先出し(FIFO)を行うには、庫内のルール決めが重要になります。
例をあげると、格納しようとする商品のロット番号や賞味期限日と、既に棚に保管されている商品のロット番号や賞味期限日を見比べて、違っていれば区切り材を挟んで右側や後ろに置く、などです。逆にピッキング時は左側からピッキングしなければなりません。
また、ロット番号や賞味期限日を記載した看板(用紙)を使うこともお勧めします。書く手間はありますが、看板を商品や棚に貼っておくことで、ピッキング時に目に入り、どちらからピッキングしなければいけないかが明確になります。
また、先入れ先出しを間違いそうな商品の位置には、注意を促すサインや確認ポイントなどの貼り紙を貼っておくと、熟練していない作業者も間違いを防ぐことができます。
ピッキング時は出荷時間に間に合わせる、などの制約がありますので、できるだけ商品格納時にやるべきことをやっておくことです。
まとめ
先入れ先出し(FIFO)は出荷期限が切れた商品の出荷を防ぎ、在庫の破棄を最低限に減らすための重要な方法です。
先入れ先出し(FIFO)が徹底できないなど問題を感じている方は、是非ミスター物流へご相談ください。